※お酒は20歳になってから
「ダイエット中だけどお酒は飲みたい…」 「飲み会が多いけど体重は増やしたくない…」
お酒が好きな方にとって、ダイエット中にお酒を我慢することは大きなストレスになりますよね。しかし実は、「お酒を飲むと必ず太る」というのは誤解です。最新の研究に基づいた正しい飲み方と食べ方を実践すれば、お酒を楽しみながらも体重増加を抑えることは十分可能なのです。
この記事では、お酒と体重増加の関係について科学的根拠に基づいて徹底解説し、すぐに実践できる効果的な対策をご紹介します。お酒を愛する方もダイエットに挑戦している方も、この記事を読めば明日からの飲み方が変わるでしょう。

【医師監修】お酒が太る原因とされる3つのメカニズム

お酒の飲みすぎが体重増加につながると言われるのは、単にお酒自体のカロリーが高いからだけではありません。実際には、以下の3つの要因が複合的に作用しています。
アルコール代謝が与える影響
お酒を飲むと、肝臓はアルコールの分解を最優先します。アルコールは体内で毒性物質として認識されるため、優先的に代謝されるのです。この過程で、通常の脂質や糖質の代謝が後回しになってしまいます。
そのため、アルコールと一緒に摂取した食べ物(おつまみ)の栄養素が十分に代謝されず、余分なエネルギーが脂肪として蓄積されやすくなります。この代謝の変化が、お酒を飲むと太りやすくなる大きな要因の一つです。
食欲増進と満腹中枢への影響
アルコールには食欲を刺激する作用があります。お酒を飲むと「もっと食べたい」という欲求が強くなり、普段より多くの食事を摂取してしまいがちです。
さらに、アルコールには満腹中枢を麻痺させる効果もあります。通常なら「もう十分食べた」と感じるタイミングでも、お酒を飲んでいると満腹感を得にくくなり、食べすぎにつながります。
糖質とカロリーの問題
お酒自体にも糖質やカロリーが含まれています。特に、糖質の多いビールや甘いカクテルなどは、それだけでもエネルギー摂取量が増えることになります。
アルコール1グラムには約7キロカロリーのエネルギーがあります。これは、糖質やタンパク質(4キロカロリー/g)より高く、脂質(9キロカロリー/g)に次いで高カロリーです。お酒の種類によって含まれる糖質量やカロリーは異なりますが、飲みすぎれば当然カロリーオーバーとなり得ます。
お酒を飲んでも太らない7つの科学的対策【2025年最新版】

お酒が太る原因を理解したところで、次はその対策について見ていきましょう。以下の7つのポイントを実践することで、お酒を楽しみながらも体重増加を防ぐことができます。
糖質の少ないお酒を選ぶ
お酒の中でも、糖質含有量には大きな差があります。一般的に、蒸留酒(焼酎、ウイスキー、ジン、ウォッカなど)は醸造酒(ビール、日本酒、ワインなど)に比べて糖質が少ない傾向にあります。
ダイエット中は、蒸留酒をベースにした糖質の少ないドリンクを選ぶのがおすすめです。例えば、焼酎やウイスキーを水や炭酸水で割るシンプルな飲み方なら、余分な糖質を摂らずに済みます。
もしビールが好きな場合は、糖質オフや糖質ゼロタイプのビールを選ぶという方法もあります。最近は各ビールメーカーからさまざまな低糖質ビールが発売されているので、自分の好みに合ったものを探してみるのも良いでしょう。
プロが選ぶ!太りにくいおつまみベスト5
おつまみの選び方も太るか太らないかを大きく左右します。揚げ物や炒め物など、糖質と脂質が多いおつまみはダイエットの大敵です。管理栄養士が推奨する、お酒に合う太りにくいおつまみベスト5をご紹介します。
- 枝豆(100gあたり約135kcal):植物性タンパク質と食物繊維が豊富で満腹感があります。大豆イソフラボンには脂肪燃焼を促進する効果も。
- 刺身(マグロの赤身100gあたり約125kcal):良質なタンパク質源で脂質が少なく、アミノ酸も豊富。肝機能をサポートするタウリンも含まれています。
- 冷奴(100gあたり約56kcal):低カロリーでありながら良質なタンパク質が摂取でき、満腹感も得られます。アルコールの代謝を助けるアミノ酸も含有。
- ささみの塩焼き(100gあたり約105kcal):鶏肉の中で最も低脂肪で高タンパクな部位。シンプルな塩焼きで余分なカロリーを抑えられます。
- キノコのホイル焼き(しいたけ100gあたり約18kcal):低カロリーで食物繊維が豊富。ビタミンDも含み、脂肪の燃焼を助けるとされています。
特に、タンパク質や食物繊維を多く含むおつまみは、アルコールの吸収を緩やかにする効果もあるため、おすすめです。家飲みの際には、これらの太りにくいおつまみを用意しておくと良いでしょう。
空腹時の飲酒を避ける
空腹状態でお酒を飲むと、アルコールの吸収が早まり、酔いが回りやすくなります。また、空腹時にアルコールを摂取すると、インスリンが過剰に分泌され、太りやすくなるという研究結果もあります。
飲む前に適量の食事を摂ることで、アルコールの吸収速度を緩やかにし、過度な酔いや食欲増進を防ぐことができます。ただし、食べすぎには注意しましょう。
お酒と水を交互に飲む
お酒を飲むときは、水や麦茶などのノンカロリー飲料を一緒に飲むようにしましょう。これにより、アルコールの摂取量を自然と減らすことができます。
特に日本酒を飲む際には「和らぎ水」を用意し、日本酒と水を交互に飲む習慣をつけると良いでしょう。こうすることで、深酔いによる食欲増進も抑えられます。
また、水分補給はアルコールの代謝を助け、二日酔いの予防にもなります。飲酒による脱水症状も防げるため、一石二鳥です。

飲む時間と量を意識する
お酒を飲む時間帯も、太るかどうかに影響します。体内時計の調節機能を持つBMAL1(ビーマルワン)というタンパク質は、脂肪を作り出す作用があり、一日の中で増減しています。
BMAL1は午後4時以降に増え始め、夜10時〜深夜2時に最も活発になるとされています。つまり、この時間帯の飲食は太りやすいということ。太らないためには、夜10時までに飲み終えるよう心掛けましょう。
また、適量を守ることも大切です。厚生労働省の「健康日本21」によれば、通常のアルコール代謝能を持った日本人のお酒の適正量は、1日平均で純アルコール約20g程度とされています。これはビール中瓶1本(500ml)、ウイスキーダブル1杯(60ml)、赤ワイン約2杯分(240ml)に相当します。
休肝日を設ける
毎日お酒を飲み続けると、肝臓に負担がかかるだけでなく、代謝機能の低下や脂肪の蓄積が進みやすくなります。週に2〜3日は休肝日を設け、肝臓を休ませることが大切です。
特に宴会などの予定がはっきりしている場合は、前後に休肝日を設けるようにすると良いでしょう。休肝日には、ノンアルコール飲料で代用するのも一つの方法です。
飲酒後の締めの食事に注意する
飲酒後、特に深夜に食べる「シメの一杯」は要注意です。アルコールにより血糖値が下がっているため、炭水化物が欲しくなりますが、この時間帯の炭水化物摂取は太りやすい傾向にあります。
どうしても食べたい場合は、低糖質の選択肢を検討しましょう。例えば、ラーメンの代わりに塩味の鶏スープ、おにぎりの代わりにサラダチキンなど、炭水化物を控えた選択ができると理想的です。
【比較】太りにくいお酒と太りやすいお酒一覧
お酒の種類によって、含まれる糖質量やカロリーは大きく異なります。ダイエット中の方は、以下の比較表を参考に太りにくいお酒を選ぶと良いでしょう。
太りにくいお酒の特徴
蒸留酒(焼酎、ウイスキー、ジン、ウォッカなど)は製造過程で糖質がほとんど残らないため、ダイエット中に適しています。特に、水や炭酸水で割るシンプルな飲み方なら、余分な糖質を摂らずに済みます。
最近では、糖質オフや糖質ゼロを謳ったビールタイプの飲料も人気です。通常のビールと比べて糖質量が大幅に削減されているため、ビール好きな方のダイエットをサポートします。
★★★ 太りにくいお酒 ★★★
■ 焼酎
- 糖質量:ほぼ0g(100mlあたり)
- カロリー:約146kcal(100mlあたり)
- 特徴:蒸留酒の代表格で糖質ゼロ。水や炭酸で割るとさらにカロリーダウン
- 飲み方のコツ:水割り、お茶割り、炭酸水割りがおすすめ
■ ウイスキー
- 糖質量:ほぼ0g(100mlあたり)
- カロリー:約230kcal(100mlあたり)
- 特徴:糖質ゼロだが高カロリー。少量で満足感が得られる
- 飲み方のコツ:ハイボール(炭酸水割り)にすると飲みやすく量も調整しやすい
■ ジン・ウォッカ
- 糖質量:ほぼ0g(100mlあたり)
- カロリー:約230kcal(100mlあたり)
- 特徴:糖質ゼロ。様々な割り方ができる多様性が魅力
- 飲み方のコツ:甘いジュースで割らず、炭酸水やトニックウォーターで
■ 辛口白ワイン
- 糖質量:0.1〜0.5g(100mlあたり)
- カロリー:約73kcal(100mlあたり)
- 特徴:赤ワインより糖質が少ない傾向あり
- 飲み方のコツ:「辛口」「ドライ」「ブリュット」表記を選ぶ
太りやすいお酒の特徴
甘いカクテルや果実酒は糖質含有量が非常に高いため、ダイエット中は特に注意が必要です。これらは飲みやすく、気付かないうちに飲み過ぎてしまう危険性もあります。
ビールや日本酒などの醸造酒も比較的糖質が多いため、適量を心がけましょう。特にビールは量が増えやすいので、飲む量をあらかじめ決めておくと良いでしょう。
ただし、注意したいのは「糖質が少ないから大量に飲んでも大丈夫」というわけではないということです。アルコール自体にもカロリーがあり、飲みすぎれば当然カロリーオーバーになります。適量を守ることが何よりも大切です。
★ 太りやすいお酒(要注意) ★
■ 通常のビール
- 糖質量:約10〜12g(350ml缶あたり)
- カロリー:約140kcal(350ml缶あたり)
- 特徴:糖質が多く量も増えがち
- 飲み方のコツ:「とりあえずビール」は1杯までにし、あとは糖質の低いお酒に切り替える
■ 日本酒
- 糖質量:約5g(100mlあたり)/ 約9g(1合あたり)
- カロリー:約103kcal(100mlあたり)
- 特徴:醸造酒のため比較的糖質が多い
- 飲み方のコツ:日本酒度が+7以上の辛口を選ぶ
■ 梅酒・果実酒
- 糖質量:約20g(100mlあたり)
- カロリー:約160kcal(100mlあたり)
- 特徴:糖質が非常に多く甘味も強い
- 飲み方のコツ:梅酒なら「糖質オフ」「甘くない」タイプを探す
■ 甘いカクテル類
- 糖質量:5〜20g(100mlあたり)
- カロリー:100〜200kcal(100mlあたり)
- 特徴:ジュースや砂糖を使用するため糖質量が多い
- 飲み方のコツ:ジュースや砂糖を使わないシンプルなカクテルを選ぶ
★★ 適量なら大丈夫なお酒 ★★
■ 赤ワイン
- 糖質量:0.3〜2g(100mlあたり)
- カロリー:約73kcal(100mlあたり)
- 特徴:タンニンやポリフェノールが豊富
- 飲み方のコツ:1日グラス1〜2杯程度に抑える
■ 糖質オフビール
- 糖質量:0〜2.5g(350mlあたり、製品による)
- カロリー:約95kcal(350mlあたり)
- 特徴:通常のビールと比べて糖質を大幅にカット
- 飲み方のコツ:「糖質ゼロ」「糖質オフ」表記のものを選ぶ
※数値は一般的な目安であり、銘柄により異なる場合があります
よくある質問
Q1: ダイエット中はお酒を完全に断つべきですか?
A1: 必ずしも完全に断つ必要はありません。飲み方や量、おつまみの選び方に気をつければ、ダイエット中でもお酒を楽しむことは可能です。ただし、体重減少を最優先するなら、カロリー制限の観点からアルコールの摂取を控えるのが効果的です。
Q2: アルコールは太らないと聞きましたが本当ですか?
A2: アルコール自体のカロリーは「エンプティカロリー」と呼ばれ、体内で素早く代謝されるという特徴があります。しかし、アルコールの代謝が優先されることで他の栄養素の代謝が遅れ、結果的に脂肪として蓄積されやすくなります。また、アルコールには食欲を増進させる作用もあるため、飲酒に伴う食事量の増加が体重増加の主な原因となることが多いです。
Q3: お酒を飲んだ翌日はどのような食事がいいですか?
A3: お酒を飲んだ翌日は、水分をしっかり摂り、肝臓の回復を助ける食事を心がけましょう。具体的には、タンパク質が豊富な食品(卵、豆腐、鶏肉など)や、ビタミン・ミネラルが豊富な野菜、解毒作用のある食材(ニンニク、タマネギ、緑茶など)がおすすめです。また、脂っこい食事や甘いものは避け、消化に良い食事を心がけましょう。
まとめ:専門家が教えるお酒との上手な付き合い方
ここまで詳しく解説してきたように、「お酒=太る」という単純な図式は必ずしも正しくありません。お酒で太る主な原因は、アルコールによる代謝の変化、食欲増進、そしておつまみの食べすぎにあります。これらの要因を適切にコントロールすることで、お酒を楽しみながらも健康的な体重を維持することは十分可能です。
今日から実践!7つの対策ポイント再確認
- 糖質の少ないお酒を選ぶ:焼酎、ウイスキー、ジン、ウォッカなどの蒸留酒がおすすめ
- 太りにくいおつまみを選ぶ:枝豆、刺身、冷奴、ささみ、キノコ料理などの低糖質・高タンパク食品
- 空腹時の飲酒を避ける:適度に食事を摂ってからお酒を飲む
- お酒と水を交互に飲む:アルコール摂取量の自然な調整と水分補給
- 飲む時間と量を意識する:夜10時までに飲み終え、適量を守る
- 休肝日を設ける:週に2〜3日は休肝日を作り、肝臓を休ませる
- 飲酒後の締めの食事に注意する:深夜の炭水化物摂取を控える
健康的な飲酒習慣のために
お酒は適量であれば、ストレス解消やリラックス効果、さらには心血管系に良い影響をもたらすとする研究結果もあります。大切なのは、自分の体質や生活スタイルに合った「持続可能な飲み方」を見つけることです。
無理な制限はストレスになり、かえって長続きしません。この記事で紹介した方法を参考に、お酒を楽しみながらも健康的な体重を維持できる習慣を少しずつ取り入れてみてください。
最後に、お酒の飲み過ぎは肝臓への負担だけでなく、様々な健康リスクを高める可能性があります。楽しく飲むためにも、適量を守り、自分の体調に合わせた飲み方を心がけましょう。
「明日からの飲み方が変わる!」と思っていただければ幸いです。健康的なお酒との付き合い方で、楽しい毎日を過ごしましょう。

