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ビールを飲む機会は多くても、「クラフトビールって普通のビールと何が違うの?」と疑問に思ったことはありませんか?この記事では、ビールとクラフトビールの基本的な違いから、選び方、そしておすすめの商品まで徹底解説します。これを読めば、あなたも明日からビールの会話で一目置かれる存在に!

ビールとクラフトビールの基本的な違い
ビールとクラフトビール、名前は似ていても実は大きな違いがあります。最も基本的な違いは製造規模と理念にあります。
クラフトビールとは
クラフトビールは、小規模な醸造所で職人(クラフトマン)によって丁寧に作られるビールのことを指します。英語で「craft」とは「工芸」や「技術」という意味があり、その名の通り、職人技が光る一品一品に手間暇かけて作られるビールなのです。
日本では年間の生産量が2,000kL以下の小規模ブルワリーで作られるものを指すことが多く、独自性や創造性が重視されています。
一般的なビール(大手メーカー)との違い
一方、キリン、アサヒ、サッポロ、サントリーなどの大手メーカーが製造する一般的なビールは、大規模工場での大量生産が基本です。安定した品質と味わいを保つために、製造工程が標準化されており、国内外問わず同じ味を楽しめることが特徴です。
一般的なビールとクラフトビールの主な違いは以下の通りです:
特徴 | 一般的なビール | クラフトビール |
---|---|---|
製造規模 | 大規模(工業的) | 小規模(手工業的) |
生産量 | 大量 | 少量 |
味のバリエーション | 限定的 | 多様で独創的 |
原材料へのこだわり | 効率重視 | 品質重視 |
流通範囲 | 全国/世界規模 | 地域限定が多い |
クラフトビールと地ビールの違い
「クラフトビール」と「地ビール」。似たような言葉ですが、実はこの二つには微妙な違いがあります。
地ビールの定義
地ビールとは、特定の地域で製造されるビールを指す言葉です。日本では1994年の酒税法改正により、年間最低製造量が引き下げられたことをきっかけに「地ビール」というカテゴリーが誕生しました。
地ビールの特徴は以下の通りです:
- 特定の地域で製造される
- 地域の特産品や水を使用することが多い
- 地域の観光資源としての側面を持つ
クラフトビールとの違い
クラフトビールが製造方法や理念に重点を置くのに対し、地ビールは「地域性」に重点を置いています。
特徴 | クラフトビール | 地ビール |
---|---|---|
重視する点 | 製法、品質、創造性 | 地域性、観光資源としての価値 |
規模の制限 | 小規模生産 | 必ずしも小規模とは限らない |
流通範囲 | 全国流通もある | 主に地域内での販売 |
ただし、多くの場合、地ビールはクラフトビールの定義も満たしているため、両方の特徴を兼ね備えていることが一般的です。
生ビールとクラフトビールの違い
「生ビール」という言葉もよく耳にしますが、これはクラフトビールとはまた別の概念です。
生ビールとは
生ビールは、製造方法や規模ではなく、「熱処理(パストリゼーション)を行っていないビール」を指します。日本では、樽生ビールを指すことが多いですが、厳密には熱処理の有無が定義となります。
生ビールの特徴:
- 熱処理を行っていない
- フレッシュな風味が特徴
- 賞味期限が短い傾向がある
クラフトビールと生ビールの関係
クラフトビールは「製造規模と理念」に基づく分類で、生ビールは「製造方法(熱処理の有無)」に基づく分類です。つまり:
- クラフトビールでも熱処理をしているものは「生ビール」ではない
- 大手メーカーのビールでも熱処理していなければ「生ビール」と呼べる
下図のように、クラフトビールと生ビールは重なる部分もありますが、別の概念として理解する必要があります。
分類 | 熱処理あり | 熱処理なし(生ビール) |
---|---|---|
大手メーカー | 一般的な瓶・缶ビール | 一部の樽生ビールなど |
クラフトビール | 一部の長期保存向けビール | 多くのクラフトビール |
風味と味わいの違い

クラフトビールと一般的なビールでは、風味と味わいにも大きな違いがあります。
一般的なビールの風味
大手メーカーのビールは、多くの人に受け入れられる「スタンダード」な味わいを目指しています。
- すっきりとした飲み口
- 苦味と甘味のバランスが取れている
- クセが少なく、食事を邪魔しない
- 地域や時期を問わず同じ味わい
例えば、日本の主要なビールブランドは、「キレ」や「すっきり感」を重視した製品が多いのが特徴です。
クラフトビールの風味の多様性
一方、クラフトビールは個性的な味わいが特徴です。
- 複雑な風味プロファイル
- 使用するホップの種類による多様な香り
- フルーティーからビターまで幅広い味わい
- 季節限定や醸造所限定の個性的な製品
クラフトビールの魅力は、IPA、スタウト、ペールエールなど様々なスタイルを楽しめることです。一例として:
- IPA(インディア・ペールエール):ホップの香りと苦味が特徴
- スタウト:焙煎麦芽による深い風味とコクが特徴
- ヴァイツェン:バナナのような香りとスパイシーな風味が特徴
クラフトビールは、まさに「ビールの可能性」を広げた存在と言えるでしょう。
自分に合ったクラフトビールの選び方

クラフトビールの世界は広大で、最初は何を選べばいいか迷うことも多いでしょう。ここでは、自分に合ったクラフトビールを見つけるためのポイントを紹介します。
好みの味わいから選ぶ
まずは自分が普段好む味わいから近いものを選ぶと失敗が少ないでしょう。
- 軽やかな味わいが好きな方:ピルスナーやケルシュなどの軽めのスタイル
- フルーティーな香りが好きな方:ヴァイツェンやベルジャンスタイル
- コクのある味わいが好きな方:ポーターやスタウト
- ホップの香りと苦味が好きな方:IPAやペールエール
ラベル情報を活用する
クラフトビールのラベルには、味わいを判断する重要な情報が記載されています。
- ビアスタイル:そのビールの種類(IPA、スタウトなど)
- IBU値:苦味の強さを示す数値(数値が高いほど苦い)
- アルコール度数:度数が高いほど、通常はボディ感も強くなる
- 使用ホップ・麦芽:具体的な風味の特徴を予測できる
季節に合わせた選択
季節によって体が求める味わいは変わります。季節に合わせた選択も楽しみ方の一つです。
- 春:フルーティーでフレッシュなエール
- 夏:軽快でクリアなラガー、フルーツビール
- 秋:琥珀色のエール、オクトーバーフェストスタイル
- 冬:濃厚なスタウト、バーレイワイン
初心者向けのおすすめステップアップ法
クラフトビールを段階的に楽しむなら、以下のステップがおすすめです。
- ピルスナーやペールエールから始める(一般的なビールに近い)
- ヴァイツェンやベルジャンホワイトで香りの複雑さを楽しむ
- IPAでホップの個性を味わう
- スタウトやポーターで深い味わいを体験する
- サワーエールやバーレイワインなど個性的なスタイルに挑戦
初心者におすすめのクラフトビール10選

クラフトビールに興味はあるけれど、何から試せばいいか迷っている方に、初心者でも楽しめるおすすめのクラフトビールを10点ご紹介します。
1. よなよなエール(ヤッホーブルーイング)
日本のクラフトビールの代名詞とも言える一品。バランスの取れた味わいと香りで、クラフトビール入門におすすめです。
- ビアスタイル:ペールエール
- 特徴:柑橘系の爽やかな香りとバランスの良い苦味
2. 水曜日のネコ(ヤッホーブルーイング)
フルーティーな香りが特徴的なベルジャンスタイルのホワイトエール。苦味が少なく、女性にも人気です。
- ビアスタイル:ベルジャンホワイトエール
- 特徴:オレンジピールとコリアンダーの香り
3. 常陸野ネストビール ホワイトエール(木内酒造)
茨城県の老舗酒造が手がけるクラフトビール。さわやかな柑橘系の香りが特徴です。
- ビアスタイル:ベルジャンホワイトエール
- 特徴:スパイシーさと柑橘系の香りのバランスが絶妙
4. 軽井沢高原ビール ワイルドフォレスト(軽井沢ブルワリー)
長野県の美しい水で仕込まれた、すっきりとした飲み口のピルスナー。一般的なビールに近い味わいからの入門におすすめ。
- ビアスタイル:ピルスナー
- 特徴:クリアでキレのある味わい
5. コロナド ブルー ブリッジ コーヒー スタウト(コロナドブルーイング)
コーヒーの風味が効いた、濃厚な黒ビール。クラフトビールの多様性を体感できる一品。
- ビアスタイル:コーヒースタウト
- 特徴:コーヒーとダークチョコレートの風味
6. ブルックリンラガー(ブルックリンブルワリー)
アメリカを代表するクラフトブルワリーの定番商品。一般的なラガービールよりも深みのある味わいが特徴。
- ビアスタイル:アンバーラガー
- 特徴:ドライな飲み口とキャラメル風味のバランス
7. インドの青鬼(ヤッホーブルーイング)
日本産IPAの代表格。ホップの香りと苦味を存分に楽しめる一品。
- ビアスタイル:IPA(インディア・ペール・エール)
- 特徴:強めの苦味と柑橘系の香り
8. 馨和 KAGUA Blanc(ファーイーストブルーイング)
和素材を使った日本らしいクラフトビール。ゆずの香りが特徴的です。
- ビアスタイル:ベルジャンスタイルの白ビール
- 特徴:ゆずの香りとハーブのニュアンス
9. シエラネバダ ペールエール(シエラネバダブルーイング)
アメリカのクラフトビール界の先駆者的存在のブランド。バランスの良さが特徴です。
- ビアスタイル:アメリカンペールエール
- 特徴:松やグレープフルーツを思わせるホップの香り
10. 箕面ビール ヴァイツェン(箕面ビール)
大阪発のクラフトビール。バナナのような香りが特徴的な小麦ビールです。
- ビアスタイル:ヴァイツェン(小麦ビール)
- 特徴:バナナやクローブを思わせる香り
クラフトビールを最大限に楽しむ方法

せっかくのクラフトビール、その魅力を最大限に引き出すための楽しみ方をご紹介します。
適切な温度で飲む
クラフトビールは適切な温度で飲むことで、風味がより引き立ちます。
- 軽めのビール(ピルスナー、ラガーなど):4〜7℃
- エール系(IPA、ペールエールなど):7〜10℃
- 濃色ビール(スタウト、ポーターなど):10〜13℃
冷蔵庫から出してしばらく置いてから飲むことで、香りが開くことがあります。
適切なグラスを選ぶ
ビールの種類によって、最適なグラスの形状は異なります。
- ピルスナーグラス:ピルスナーやラガー向き
- チューリップグラス:ベルギービールやIPAに最適
- ワイングラス:香り重視のクラフトビールに
- スタウトグラス:スタウトやポーターに
グラスに注ぐ際は、泡立ちを意識することも大切です。適度な泡は風味を閉じ込め、香りを楽しむのに役立ちます。
ペアリングを楽しむ
クラフトビールは、料理とのペアリングも楽しみ方の一つです。
- 軽いラガー・ピルスナー:サラダ、白身魚、鶏肉料理
- ヴァイツェン:シーフード、サラダ、フルーツデザート
- IPA:スパイシーな料理、カレー、ブルーチーズ
- スタウト・ポーター:チョコレートデザート、赤身肉料理
テイスティングの方法
クラフトビールをより深く楽しむためのテイスティング手順:
- 外観を観察する:色合い、透明度、泡の質
- 香りを楽しむ:グラスをゆっくり回し、立ち上る香りを楽しむ
- 味わいを確かめる:少量を口に含み、全体の味わいを確認
- 後味を楽しむ:飲み込んだ後の余韻を楽しむ
一度にたくさん飲むより、少量ずつ複数の種類を比較するのも良い方法です。
まとめ:ビールの新たな世界を楽しもう
クラフトビールと一般的なビールの違いを理解することで、ビールの楽しみ方が大きく広がります。
主な違いのおさらい
- クラフトビールは少量生産、個性重視
- 一般的なビールは大量生産、安定性重視
- クラフトビールは多様な風味と個性がある
クラフトビールを始める際のヒント
- 好みの味わいから選ぶ
- 段階的にさまざまなスタイルを試す
- 適切な温度、グラスで楽しむ
- 料理とのペアリングを意識する
ビールは単なる「のどを潤す飲み物」から、「味わい楽しむ文化」へと進化しています。この記事がきっかけで、あなたのビール体験がさらに豊かになれば幸いです。
ぜひ今日から、新しいクラフトビールに挑戦してみてはいかがでしょうか?乾杯!
この記事は2025年5月に更新されました。今後価格や商品情報は変更されている可能性がありますので、ご購入の際は最新情報をご確認ください。
