※お酒は20歳になってから
2025年6月10日時点の検証結果に基づき、各メーカーの最新商品や売れ筋上位から人気のシャンパン17商品を集めて徹底検証したランキングが発表されています。また、約30銘柄のシャンパンから用途別におすすめの5銘柄を、ソムリエ10名の投票で選んだ結果も公表されています。
本記事では、これらの専門家評価に基づいて、シャンパンの基礎知識から具体的な銘柄情報、用途別の特徴まで解説します。フランスのAOC法(原産地統制呼称制度)に基づく厳格な品質基準や製法の違いも含めて、事実に基づく情報をご紹介します。

シャンパンの基礎知識と品質規定

シャンパンとスパークリングワインの法的な違いと、AOC法による品質規定について解説します。
シャンパンとスパークリングワインの法的定義
シャンパンというのは、シャンパーニュ地方で伝統的な製法で作られた発泡性ワインを指すものです。AOCシャンパーニュを例に挙げると、フランスで最北のワインの産地であるシャンパーニュ地方で、使用に認定されているブドウの品種は、シャルドネ、ピノ・ノワール、ムニエ、ピノ・ブラン、ピノ・グ、アルバンヌ、プティ・メリエから造り、「瓶内二次発酵」という特殊な工程を加えることで泡を発生させ、その後、瓶の中で15か月、ヴィンテージシャンパーニュは36か月以上熟成しなければいけないという規定があります。
現在シャンパンと言う場合、1919年にAOC(アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ。原産地呼称統制法)によって定められた定義は『シャンパーニュに使用できるブドウ品種は、ピノ系品種とアルバンヌ、プティ・メリエのみ』であるとされています。これらの条件をクリアしたワインのラベルには必ず「Champagne」の表記があります。
ほぼ同様の工程を経たスパークリングワインに、スペインの「カヴァ」、イタリアの「スプマンテ」(一般名詞)、ドイツの「ゼクト」(一般名詞)、フランス国内でもアルザス地域圏の「クレマン・ダルザス」、ペイ・ド・ラ・ロワール地域圏の「クレマン・ド・ロワール」、ブルゴーニュ地域圏の「クレマン・ド・ブルゴーニュ」等があるが、シャンパンはその選定基準の厳しさと熟成期間の長さにおいて突出しているとされています。
専門家による品質評価基準
日本ソムリエ協会の認定ソムリエ10名がブラインドテイスティングを行い、各ワインの品質を評価しました。評価基準となったのは以下の5項目です:味わい、香り、バランス、余韻、総合評価。
シャンパンは、極辛口・辛口・中辛口・中甘口・甘口・極甘口の6種類があります。極辛口はエクストラ・ブリュット、辛口はブリュット、中辛口はエクストラ・セックまたはエクストラ・ドライと表記。中甘口はセック、甘口はドゥミ・セック、極甘口はドゥーと呼ばれています。
中でも「辛口(ドライ)」タイプは、食事との相性がよく、幅広いシーンに合わせやすいのが魅力です。酸味と果実味のバランスが優れ、複雑で立体的な味わいが高く評価されています。
製法と生産者分類
シャンパンと普通のワインとの大きな違いは、醗酵の過程を2回行う「瓶内二次醗酵」という方法を取っているところです。シャンパンはこの瓶の中という完全に密閉された環境で2度目の醗酵が行われることにより、発生した二酸化炭素の逃げ場がなくなり、ワインの中に溶け込みます。
シャンパンは生産者毎に番号が振られており、ラベルに記載されるシステムがあり、主な分類は以下の通りです:
- NM:Négociant manipulant(ネゴシアン マニピュラン) – ブドウの一部または全量を購入して製造する会社
- RM:Récoltant manipulant(レコルタン マニピュラン) – 自社のブドウだけで製造する会社
とても手間隙がかかる製法ですが、この手間は当然コストにも跳ね返るわけで、シャンパンが普通のワインよりも割高なのはこのためです。
2025年専門家評価ランキング

ソムリエ評価と専門検証に基づく高評価銘柄の具体的な評価内容をご紹介します。
マイベスト検証ランキング結果
1位: テタンジェ|コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン リミテッド・エディション
2025年6月10日時点の検証で最高評価を獲得しています。テタンジェは、フランス・ランスを本拠とする家族経営の老舗シャンパーニュ・メゾンです。「コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン リミテッド・エディション」は、シャルドネ100%で作られるフラッグシップ・キュヴェで、限られた年にのみリリースされる特別な1本です。
2位: Dom Perignon|Vintage 2013 Champagne with Gift Box
3位: KRUG|グランドキュヴェ 169エディション
4位: Egly-Ouriet|ブリュット レ プレミス ブリュット 2023 デゴルジュ
5位: CHAMPAGNE PERRIER JOUET|ベル エポック 2016
エノテカ ソムリエ選出銘柄評価
200年以上の歴史を持ち、圧倒的な存在感でシャンパンの頂点に立つ老舗メゾン、ルイ・ロデレール。ブリュット・ヴィンテージは複雑な香りをもつピノ・ノワールをベースに、ヴィンテージならではの個性が十分に発揮されています。
ブリュット・ヴィンテージは専用のセラーで平均4年間寝かせたのちにリリースされる贅沢な造りとなっており、「熟成感もあるのが魅力」、「酸味が高く非常に美味しい」と審査に参加したソムリエからその味わいと品質が高く評価されました。
定番銘柄の評価内容
世界中で愛されている、モエ・エ・シャンドンの代表的なブリュットシャンパンです。新鮮な果実とシリアルなどの熟成香がうまくあわさり、フレッシュでありながら口当たりはしなやかで芳醇な味わい。前菜からデザートまで、どんな料理にも調和します。
果実とブリオッシュのような香りが感じられるシャンパンです。ピノ・ノワールがベースのしっかりとした骨格でありながら、わずかなピノ・ムニエがまろやかさをプラス。3分の1ほど使われているシャルドネの上品な口あたりが、エレガントで繊細なバランスをつくり上げています。
用途別銘柄特徴と保存・飲用方法

専門家が推奨する用途別の銘柄特徴と、適切な保存・飲用方法をご紹介します。
プレゼント・ギフト用途での特徴
フランス、シャンパーニュ地方で手間隙をかけて造られるスパークリングワイン、シャンパーニュ。その美しい泡立ちと上質な味わいは、ハレの日のお祝いやプレゼントにぴったりです。シャンパンは飾り物などとは違い、飲んだらなくなる「消え物」なので、長く形に残らなかったり保管場所を気にしなくても構いません。そのため、関係性を問わず気軽に贈れます。
パチパチとはじける泡の音が、まるで拍手をしているかのように聞こえることから「天使の拍手」といわれています。この縁起良さも、シャンパンがプレゼントとして喜ばれる理由の一つです。
テオフィルは、シャンパーニュ・メゾンの頂点に君臨するルイ・ロデレールの傘下にあるメゾン。ピカソやシャガールなどの芸術家などが集うパリのグループの間で好んで飲まれていたという「テオ」・シャンパーニュを受け継ぎ、シャンパーニュを仕立てています。
記念日・お祝い用途での特徴
選ぶシャンパンによってプレゼントやギフト、贈り物に意味付けが出来る特徴があります。「キュヴェ・デ・ザムルー」とは、「愛し合うカップルのためのワイン(お酒)」という意味。ラベルをよく見ると、2羽の鳩がキスをしているかのようなデザインが描かれているとされています。
食前酒には白ブドウのシャンパン。胃を適度に刺激することで食欲が増します。すっきりとした味わいが食前酒にぴったりで、食事中に飲むのであれば、ロゼのシャンパン。ほのかな酸味と果実の風味が素材本来の味を際立たせ、食事の時間をワンランクアップさせてくれます。
初心者向けタイプの特徴
残糖量が約60gと高く甘口のため、シャンパン初心者の方にもおすすめなタイプが存在します。シャンパンのアルコール度数は、11〜12.5%が主流となっています。同じ炭酸飲料で日本人が好むビールが5%程度なので、2倍以上のアルコール度数となっています。
ビール1缶ほどの酔いを楽しみたい方は、2人で1本のシャンパンをシェアするので十分。量よりも深い味わいを堪能するのがシャンパンの楽しみ方とされています。
保存方法と温度管理
シャンパンはとてもデリケートな酒類です。保存の仕方によって著しく劣化する場合があるので、保存時の注意点を紹介します。シャンパンの保存には10~12℃の冷暗所が適しています。開栓していないシャンパンを長期保存するなら、温度管理・湿度管理がしっかりとできるワインセラーに入れておくのが一番です。
飲むのに適した温度は少し冷やした5~8℃程度。適度に冷えていることで、優しく漂う香りとスムーズな口当たりをより堪能できます。
開栓方法と注ぎ方
シャンパンを空ける際にはまず、開栓前には冷蔵庫で十分冷やしておくことが重要です。また、シャンパンは気圧が高いので、開ける直前まで口金を外さずしっかりと抑えながら開けましょう。
シャンパンを注ぐ際は瓶底を持ち、ボトルをグラスへ近付けて、繊細な泡の輪ができるようにグラスを傾けてゆっくり注ぐのがおすすめ。香りを引き立たせるために、2〜3段階に分けて注ぐのがコツです。
まとめ
シャンパン選びでは、まず真のシャンパンであることを確認するため、ラベルに「CHAMPAGNE」の表記があるかをチェックする必要があります。シャンパンは価格帯によって、味わいのクオリティや特別感が変わってきます。
マイベストが定義するベストなシャンパンは「特別な日の贈り物にぴったりなおいしいシャンパン」として、専門家による徹底検証が行われています。これらの評価結果を参考に、用途に応じた銘柄選択が可能です。
Q&A
Q1: シャンパンの甘辛度はどう分類されている?
A1: シャンパンは、極辛口・辛口・中辛口・中甘口・甘口・極甘口の6種類があります。極辛口はエクストラ・ブリュット、辛口はブリュット、中辛口はエクストラ・セックまたはエクストラ・ドライと表記されています。
Q2: プレゼント用シャンパンの特徴は?
A2: シャンパンは飾り物などとは違い、飲んだらなくなる「消え物」なので、長く形に残らなかったり保管場所を気にしなくても構いません。そのため、関係性を問わず気軽に贈れます。
Q3: シャンパンとスパークリングワインの法的な違いは?
A3: シャンパンというのは、シャンパーニュ地方で伝統的な製法で作られた発泡性ワインを指すもので、ラベルに「CHAMPAGNE」と表記されています。
Q4: 適切な保存温度は?
A4: シャンパンの保存には10~12℃の冷暗所が適しています。飲むのに適した温度は少し冷やした5~8℃程度です。
Q5: アルコール度数と適量は?
A5: シャンパンのアルコール度数は、11〜12.5%が主流となっています。ビール1缶ほどの酔いを楽しみたい方は、2人で1本のシャンパンをシェアするので十分とされています。