FXを始めたいけれど、何から手をつけていいかわからない…そんなあなたへ。
この記事では、FX初心者が安全に取引を始めるための全ステップを、専門用語を使わずにわかりやすく解説します。口座開設から実際の取引まで、この記事を読めば迷うことなくFXデビューできます。
FXとは何か？初心者が知るべき基本の仕組み
FXは通貨の両替で利益を狙う投資方法
FXとは「Foreign Exchange（外国為替）」の頭文字をとったもので、日本では外国為替証拠金取引（がいこくかわせしょうこきんとりひき）とも言います。
FXの仕組みを簡潔に説明すると「日本円と米ドルなど、2つの国の通貨を交換し、利益を狙う取引」です。海外旅行で円をドルに両替するのと同じような仕組みですが、FXでは実物のお金を受け取らず、コンピューター上で取引を行います。
利益が出る仕組みはとてもシンプルです。
例えば、1米ドル＝110円の時点で「米ドル/日本円」の通貨ペアに対して、1万米ドルの買いポジションを建てたとしましょう。これは、「110円×1万通貨＝110万円」の取引を行ったことを意味しています。その後1ドル=112円になったときに売れば、1ドルあたり2円の利益で、合計20,000円の利益になります。
少額から始められるレバレッジの仕組み
日本国内で登録を受けているFX会社は、日本の金融庁が定めたルールや規制に基づいたサービスを展開しており、かけられるレバレッジは個人名義の口座の場合25倍が上限となっています。
レバレッジという言葉には「テコの原理」という意味があり、FXにおけるレバレッジとは、預け入れた保証金（証拠金と同義）の最大25倍（個人口座の場合）もの金額を取引できる仕組みのことです。
最大レバレッジの25倍で取引する場合、取引額の「4％（25分の1）」の資金（証拠金）があれば取引できます。例えば、100万円分の取引をするためには、最低限25分の1の4万円があれば可能です。
ただし注意が必要です。
利益が大きくなる分、損失も大きくなるリスクがあります。初心者の方は、すぐに取引を始めるのではなく、まずはFXの基礎知識を覚えてから取引を始めると良いでしょう。
24時間取引可能で副業にも最適
FXは平日なら24時間いつでも取引できるため、本業を持つ会社員の方でも夜間や休憩時間に取引することができます。時間や場所を問わずに取引できるため、国内でも多くの人が昼夜トレードしています。
FX初心者が失敗しないための準備と心構え
まずは基礎知識の習得から始める
FXの特徴をよく理解しないまま取引を開始すれば、大切なお金を危険に晒してしまうかもしれません。基本的な仕組みを理解しておかないと利益を出すのは難しいため、FXを始める前にまずは取引や利益を上げる仕組みなどを理解する必要があります。
初心者が覚えるべき基本用語：
- スプレッド：通貨を買うときと売るときの価格差（取引コスト）
- スワップポイント：2つの国の金利差から生まれる利益または支払い
- ロスカット：大きな損失を防ぐための自動的な決済システム
デモトレードで練習する重要性
実際の取引を開始する前に本番と同じような環境で、FXの取引を無料体験できる「デモトレード」サービスを提供しているFX会社もあります。本物のお金ではなく仮想のお金を使用するので、誤操作による損失が出ても安心です。
デモトレードなら仮想のお金を使うため、誤操作による損失が出ても安心です。まずは操作に慣れ、相場の動きを理解してから実際の取引に進むことをおすすめします。
余剰資金で始める重要性
FX初心者であれば、最初から生活に必要な資金まで投じるのではなく、慣れるまでは少額で取引に慣れていく事を心がけましょう。
推奨する資金の目安：
- 初心者：5万円〜10万円程度の余剰資金
- 1,000通貨で1ドル100円の取引をした場合、必要証拠金は4,000円で取引を始められます
- SBI FXトレードでは、最小取引単位が「1通貨」となっているため、さらにリスクを抑えてFXを始めることができます。
FX口座開設の具体的な手順と必要書類
信頼できるFX会社を選ぶポイント
FX会社選びは成功の第一歩です。以下の点を確認して選びましょう：
重要なチェックポイント：
- 金融庁への登録：日本の金融庁に正式に登録されているか
- 取引コストの低さ：スプレッドが狭い（コストが安い）か
- 最小取引単位：1通貨や1,000通貨から取引できるFX会社を選ぶ
- 初心者向けサポート：初心者向け教育コンテンツは豊富にあるか
以前は10,000通貨を最小単位とする会社も多くありましたが、今は最小単位を1,000通貨としているFX会社がほとんどです。ただし、最近では1通貨単位で取引できるFX会社も出てきているため、初心者の方は少額から始められる会社を選びましょう。
口座開設に必要な書類の準備
口座開設のお申込後、【本人確認書類】および【マイナンバー書類】をお送りください。
必要書類の組み合わせ：
パターン1（最も簡単）：
- 「個人番号カード」は両面をお送りいただければ、表面が本人確認書類、裏面がマイナンバー書類として利用可能です。
パターン2：
- 運転免許証 + 通知カードまたはマイナンバー入り住民票
パターン3：
- 健康保険証 + 住民票 + 通知カード
スマホで簡単！最短即日口座開設の流れ
外為どっとコムのFX口座開設では、スマホのカメラで本人確認書類と顔写真を撮影する「スマホで本人確認」を利用すれば、最短当日に口座開設が完了します。
口座開設の5ステップ：
- 申込フォーム入力：個人情報や投資経験を入力
- 書類撮影：スマホで本人確認書類と顔写真を撮影
- 審査：FX会社による審査（通常1-2営業日）
- 口座開設完了：IDとパスワードがメールで届く
- 入金・取引開始：銀行口座から入金して取引スタート
スマホ撮影のコツ：
- 明るい場所で撮影する
- 書類の四隅がしっかり写るように撮る
- 文字がはっきり見えることを確認する
初回入金と取引開始までの準備
銀行口座などからFX口座に入金（振込み）を行います。通常の振込みの場合は1日程度かかりますが、メガバンクを始めとした特定の金融機関（FX会社による）ならスピード入金ができるため、最短数分程度で振込みが完了します。
入金方法の選択肢：
- クイック入金：即時反映、手数料無料が多い
- 銀行振込：1営業日程度、振込手数料は自己負担
初心者が陥りやすい失敗パターンと対策
損切りができない失敗
適宜に損切りができないというのは、初心者が最も陥りやすいミスの1つです。「もう少し待っていれば値段が回復するかもしれない」と感情に流され、さらに損失が拡大するのは、FXを始めたばかりの時に誰もが一度は陥る失敗でもあります。
対策：
- 「損失が〇〇%になったら損切りする」という、ルールを決めて、事前の注文方法などを覚えて適切な損切りができるようになりましょう。
- 1回の取引で許容できる損失額を、取引開始前に決めておきましょう。損失額の目安としては、「2％ルール」というものがあります。2％ルールとは、1回の取引の損失額を投資資金の2％に設定するというものです。
高レバレッジによる失敗
レバレッジにはメリットもデメリットもありますので、初心者の方は少ない倍率で慣れていくことをおすすめします。
対策：
- 初心者の方は高いレバレッジでの取引を避け、低レバレッジで取引するのがおすすめです。そのためには余裕を持った保証金（証拠金と同義）を入金し、取引数量を抑えて取引しましょう。
- 最初は実効レバレッジ3〜5倍程度から始める
根拠のない頻繁な取引
初心者の方は根拠なく頻繁に取引を行ってしまうケースも多く見られます。そのような状態は一般的に「ポジポジ病」と呼ばれ、多くの利益を早く得ようと先走ることや、損失を早く取り戻そうと焦ることで起こります。
対策：
- 継続的に利益を出すためには、勘や運に頼るのではなく相場を予測する努力が不可欠です。テクニカル分析やファンダメンタルズ分析を使って予測の精度を上げることは可能です。
- FXでは取引ルールに基づき、感情を排して機械的に取引をするということも非常に重要になります。
生活資金での取引
FXは手元の資金以上の金額の取引ができるのが魅力ですが、元本が保証されたものではなく、損失が出るリスクがあります。そのため、なくなると生活が立ち行かなくなるような資金を使って取引するのはリスクが高く、おすすめできません。
対策：
- 一般的に生活費（6ヶ月分が目安）や非常時に備えた資金、住宅購入資金、教育資金などを除いた余剰資金で取引することが重要とされています。
初心者におすすめの取引戦略と通貨ペア
初心者向け通貨ペアの選び方
FX初心者が取引する際は、取扱高が大きく、値動きも比較的安定している「米ドル/円（USD/JPY）」を選択するのが無難です。
初心者におすすめの通貨ペア：
- 米ドル/円：情報が多く、値動きが比較的安定
- ユーロ/円：欧州の経済情報が豊富
- 豪ドル/円：高金利でスワップポイントも狙える
リスク管理の基本ルール
FXにおいて重要なことは、ひたすらに利益を追求することではなく、損失を防ぐための対策をしっかりと講じることと言われています。
必ず守るべきルール：
- 損切りラインを決める：損失が一定額に達したら必ず決済
- レバレッジは低めに設定：最初は3倍〜5倍程度から始める
- 生活資金には手をつけない：投資は余剰資金のみで行う
- 感情に左右されない：運や勘で取引するのではなく、相場を分析して根拠のある取引をすることが重要
ロスカットの理解と対策
FXでは、証拠金維持率が一定以下になったら強制的にポジションを決済し、損失を確定させる「ロスカット」という仕組みがあります。証拠金以上の損失を生じさせない重要な仕組みですが、ロスカットのラインが「証拠金維持率の何%なのか」ということを把握していない人が少なくありません。
対策：
- 最低限必要なギリギリの分の証拠金を入金してFX取引を行うと、少しの相場変動でも追加証拠金を求められたり、場合によってはロスカットが発動したりする可能性があります。ある程度までの損失に耐えられるよう、余裕を持たせて証拠金を入金しておきましょう。
まとめ：FX初心者が安全に始めるための最重要ポイント
FXと聞くと、初心者の方は「難しそう」と思うかもしれませんが、始め方自体はそう難しくありません。ただし、初心者が勘や当てずっぽうで取引を行っても、長期的に利益を得ることは難しいです。まずは、大きな利益を期待するのではなく、リスク対策をしっかりと行った上で取引を行うことが大切です。
成功への3つのステップ：
- しっかりとした基礎学習：専門用語や仕組みを理解する
- デモトレードでの練習：実際のお金を使う前に操作に慣れる
- 少額からの実践：余剰資金で小さく始めて経験を積む
FXの勉強方法はいろいろありますが、一番効果的なのは、自分でやってみることです。ただし、準備なしに始めるのではなく、この記事で紹介した手順に従って、安全にFXデビューを果たしてください。
最後に重要なこと： 為替相場は常に動いていて、未来の動きを正確に予想することは、どんな投資家や専門家であっても不可能です。値動きを100％予測できない限りは、必ず損失が発生するものなので、ある程度の損失は許容するという姿勢が非常に重要になります。
着実に資産を増やしている人は、読み違えた場合の見切りが的確なことだと言えるでしょう。極端な話、10回のトレードで利益が出たのは3回で、残る7回では損を被っていたとしても、トータルではプラスになるようなトレードを実践できています。
FXは投資である以上、必ず利益が出るわけではありません。しかし、適切な知識とリスク管理があれば、資産形成の有効な手段となります。焦らず着実に、一歩ずつ進んでいきましょう。
