※お酒は20歳になってから
ダイエット中に「お酒は控えた方がいい」とはよく言われますが、「お酒好きだから完全に断つのはつらい」「友達と飲みに行くのが楽しみなのに」「ストレス発散のために少しだけでも飲みたい」という方は多いのではないでしょうか。特に仕事が忙しい方や、日頃からストレスを溜め込みやすい方にとっては、お酒の時間が癒しだったりもしますよね。
とはいえ、ダイエットに取り組んでいる以上、好きなだけお酒を飲んでしまうのはやっぱり体重増加につながるリスクが高いのも事実。そこで、この記事では“ダイエット中だけどお酒を飲みたい!”という方に向けて、上手にお酒と付き合うためのポイントやリカバリー方法、おつまみの選び方などを徹底解説します!「ダイエット中=お酒を絶対飲んではいけない」ではなく、「どうしたらダイエットを成功させながら上手にお酒を楽しめるか」を一緒に考えていきましょう。
1. ダイエット中になぜお酒が問題視されるのか
ダイエットをしている人がなぜ「お酒は控えた方がいい」と言われるのでしょうか。大きな理由をいくつか挙げてみます。
1-1. アルコールは“エンプティカロリー”?
よく「アルコールはエンプティカロリー(空っぽのカロリー)だから太りにくい」という言説を耳にすることがありますが、実際にはアルコールにもしっかりとエネルギー(1gあたり約7kcal)が存在します。確かに脂質(1gあたり9kcal)ほどではないものの、アルコールのカロリーが消費される過程で、他の栄養素の代謝が後回しにされるという性質があります。つまり、アルコール自体もカロリーがある上に、体内での代謝優先順位が高いため、他の栄養素は脂肪として蓄えられやすくなるのです。
1-2. お酒の糖質・プリン体などの問題
アルコール飲料には、醸造方法や種類によって糖質やプリン体が多く含まれるものがあります。特にビールや甘いカクテル類は糖質が高め。また日本酒や梅酒なども甘く仕上げられているものや、アルコール度数は高くなくても糖質量が多いものがあるので注意が必要です。
さらに、お酒を飲むときはおつまみがセットになりがち。ついつい塩辛いものや脂っこいおつまみを食べすぎてしまい、結果的にカロリーオーバーになるケースも非常に多いのです。
1-3. 飲酒は食欲を増進させる
ダイエット中に最も困るのが、“過食”を引き起こすこと。アルコールには食欲を増進させる作用があり、「ちょっと飲んだだけなのに、気づいたらポテトフライをたくさん食べていた」なんて経験はないでしょうか? お酒によって気持ちが緩み、いつもより我慢がきかなくなる、判断力が鈍る、こうした心理的な影響も大きいのです。
1-4. ダイエット中でもお酒は絶対NGなのか?
ここまで読んでいただいて「やっぱりお酒は止めた方が良いの?」と不安になったかもしれません。しかし結論としては、「飲み方次第でダイエット中でもお酒は楽しめる」と考えていただいてOKです。量や種類、タイミングを工夫し、食事や日常生活のバランスをしっかり整えることができれば、「ダイエット=お酒NG」というわけではありません。むしろストレスを抱えすぎるほうがダイエットの失敗に直結しやすいケースもあります。
2. ダイエット中でもお酒を楽しむための基礎知識

ここからは、ダイエット中でも上手にお酒と付き合うためのコツを具体的に解説していきます。
2-1. おすすめのお酒の種類
(1) ハイボールや焼酎など蒸留酒系
「ウイスキー」「焼酎」「ジン」「ウォッカ」などは蒸留酒に分類されます。蒸留酒は糖質がほとんど含まれないため、ビールや日本酒と比べると血糖値の上がり方を抑えやすいというメリットがあります。ただし、アルコール度数が高めなので、つい飲みすぎると肝臓への負担も大きくなります。ハイボールや酎ハイにする場合は、甘いジュースではなくレモンや炭酸水など砂糖不使用のものを選ぶと糖質を抑えられます。
(2) 赤ワイン
ワインの中でも特に赤ワインはポリフェノールが豊富で、抗酸化作用など健康面で注目されがち。しかし、糖質も0ではなく、1杯(グラスワイン)で約2〜3g程度の糖質があります。白ワインやロゼワインよりはやや低めと言われることも多いので、量に気をつければダイエット中でも楽しみやすいお酒でしょう。ただし“飲みすぎ厳禁”は当然ながらワインにも当てはまります。
(3) 糖質オフ・ゼロ系ビール、第三のビール
ビール好きの方は「どうしてもビールが飲みたい」という気持ちを我慢してしまうと、ダイエットそのもののモチベーションが下がることも。そこでおすすめなのが、各社から販売されている「糖質オフ」「糖質ゼロ」を謳ったビール(発泡酒や第三のビール含む)です。通常のビールよりも糖質が少なく、カロリーをやや抑えられるメリットがあります。味の好みは分かれるかもしれませんが、「我慢してストレスを溜めるよりはマシ」と割り切って試してみると良いでしょう。
(4) 辛口の日本酒
日本酒は糖質が多いイメージが強く、「ダイエット中に不向きなのでは?」と思われがちですが、実は種類によって糖質量が変わります。たとえば“辛口”でアルコール度数がやや高めのタイプの日本酒は、甘口に比べると糖質が低めのことが多いです。日本酒好きの方は、銘柄やタイプを吟味して少量をゆっくり味わうのも手。さらに日本酒はアミノ酸など栄養成分を多く含むものもあり、量を守れば健康効果が期待できる面もあります。
2-2. お酒を飲むタイミングのコツ
(1) 空腹での飲酒は避ける
空腹のときにいきなりアルコールを入れると、吸収率が上がり血糖値の乱高下も激しくなります。また急性アルコール中毒のリスクも上がりやすく、体にも悪影響。できるだけ空腹で飲むのは避け、最初にお水やサラダなどを口にするのがベターです。
(2) 夜遅い時間の飲酒は控えめに
22時以降など深夜帯になると、体内時計の影響で脂肪をため込みやすくなると言われています。翌朝のむくみにもつながりやすいので、どうしても夜遅くに飲む場合は量を控えめにするか、できるだけ就寝までの時間を空けるように心がけましょう。
(3) 週末や休日前にまとめて飲みすぎない
仕事の都合などで「週末にまとめて飲む」という方も多いと思いますが、短期間で大量のアルコールを摂取する“ドカ飲み”はダイエット面でも健康面でもNGです。特にドカ飲みのあとは食欲が爆発しやすく、体内環境も乱れやすいです。できるだけお酒を飲む日は平日であっても“適量”を守るのが理想です。
2-3. お酒との上手な付き合い方
(1) 水や炭酸水をこまめに挟む
お酒だけを飲んでいるとアルコール濃度が上がりやすく、酔いのまわりが早くなるため食欲のコントロールが効かなくなりがちです。合間にお水や炭酸水を飲みながら適度に酔いを散らし、アルコール摂取量も抑えましょう。体の負担も減らせるので、翌日のむくみや二日酔い予防にも効果的です。
(2) 飲む量の“上限”を決める
「今日はビール中ジョッキ2杯まで」「ワインはグラス2杯まで」など、飲む量の上限をあらかじめ決めておくと良いでしょう。上限があると、飲み始めたときに「あと1杯飲んだら終わり」と意識的にセーブできる可能性が高まります。計画的に飲むことがダイエット中は大切です。
(3) 自宅飲みのときは小さいグラスや缶を選ぶ
自宅飲みだと、どうしてもおかわりがしやすくなります。大容量のペットボトルや大きい缶ビールなどを常備すると、ついつい量が増えてしまう原因になりがち。小さな缶や少量ボトルを購入しておく、あるいは100ml〜150mlくらいの小さいグラスで飲むなど量をコントロールしやすい工夫を取り入れましょう。
3. お酒と一緒に食べるおつまみの工夫

お酒だけに注目されがちですが、ダイエット中における“おつまみ選び”はとても重要です。おつまみ次第で総摂取カロリーが大幅に変わるからです。
3-1. 低カロリー・高タンパク質の食材を使う
たとえば「鶏のささみ」「鶏むね肉」「豆腐」「刺身」「枝豆」「ゆでたまご」など、タンパク質が豊富で低脂質な食材を使ったおつまみがおすすめです。筋肉量を維持したいダイエッターにとって、タンパク質は必須栄養素。アルコールを摂る際、同時にタンパク質を確保することで満足感を得やすくなります。
3-2. 野菜やキノコ類、海藻類を活用
野菜やキノコ、海藻類は食物繊維が豊富で、カロリーが低め。特に「きのこ類」は食感や旨味もあり、油を使わなくても美味しくアレンジしやすいです。お酒の席でも「まずはサラダから」という鉄板の流れを取り入れると、空腹状態を緩和しつつ野菜でかさ増しできるので、メインの高カロリー料理を食べすぎるのを防ぐことができます。
3-3. 揚げ物やスナック菓子はほどほどに
居酒屋メニューとして人気の唐揚げ、フライドポテトなどは、やはりカロリーが高い傾向にあります。どうしても食べたい場合は“最初から大皿を頼まない” “小皿をシェアして少量楽しむ”など、食べる量を厳選すると良いでしょう。スナック菓子も同様に、食べ始めると止まらなくなりやすいため、小分けパックなどで工夫しながら摂取量をコントロールしましょう。
3-4. 味付けを控えめに
おつまみは濃い味付けのものが多いですが、塩分や砂糖を大量に使っていると、むくみやすく体重増加を感じやすくなる可能性が高いです。自宅でつくる場合は、減塩醤油や香辛料・ハーブなどを使って味に変化を出すと、塩分控えめでも満足度が上がります。
4. 飲み過ぎてしまった翌日のリカバリー方法

ダイエット中とわかっていても、ついつい飲みすぎてしまう日があるのが現実。翌日は「しまった……」と後悔することもしばしばですよね。そんなときにおすすめのリカバリー方法をご紹介します。
4-1. とにかく水分補給をしっかり
アルコールをたくさん摂ると、水分の排泄が進みやすくなり、体は脱水気味になっています。二日酔いの頭痛も脱水が原因のひとつ。翌日はまず水やお茶を普段より多めに摂るよう心がけましょう。温かいお茶やスープなども体が温まるのでおすすめです。
4-2. 具だくさんの味噌汁や野菜スープでミネラル補給
お酒で消耗した体には、味噌汁や野菜スープなどでミネラルやビタミンを補給するのが効果的。飲みすぎによる胃腸への負担をやさしくいたわりながら、体が必要としている水分と栄養素を補ってあげましょう。味噌汁に根菜やキノコ類、豆腐などを入れると、食物繊維やタンパク質も同時に摂取できます。
4-3. 激しい運動よりも軽いウォーキングから
「昨日はカロリーオーバーだったから」と、翌日にいきなりハードな運動をするのは体調的にも負担が大きい場合があります。二日酔いの状態で無理をすると体調悪化の原因になることも。まずは軽いウォーキングやストレッチなどで体をほぐし、アルコールの代謝を促進するイメージを持つと良いでしょう。汗をかくほどの激しい運動は体調が万全になってからでも遅くありません。
4-4. 一日かけて食事で調整
飲み会の翌日の食事は、カロリー・糖質をやや控えめにするのもリカバリーの一つ。朝から野菜中心、昼も軽め、夜は炭水化物を減らすなど、1日の食事全体でバランスをとってあげましょう。ただし、極端に抜いたりするとかえって体調不良につながるため、栄養バランスは常に意識してください。
5. ダイエット中のお酒にまつわるQ&A
ここでは、ダイエット中に多く寄せられるお酒に関する質問について答えていきます。
Q1. お酒は何杯までなら太りませんか?
一概に何杯までなら絶対太らないという基準はありません。個人の基礎代謝や運動量、普段の食事内容などによって異なります。ただし、厚生労働省が推奨する適度な飲酒量としては「純アルコール換算で1日20g程度」とされています。たとえば、アルコール度数5%のビール中瓶1本(約500ml)程度が目安と言われています。あくまでも健康面での目安ですので、ダイエット中はもう少し控えめを意識しても良いかもしれません。
Q2. ウイスキーや焼酎は太りにくいですか?
前述のとおり、ウイスキーや焼酎などの蒸留酒は糖質がほぼゼロのため、糖質制限中の方などから「太りにくい」というイメージがあります。ただしアルコール度数が高い分、飲みすぎると総カロリーは上がるので注意が必要。またアルコールを摂りすぎると肝臓への負担が増し、健康面でもリスクが高くなります。あくまで「蒸留酒=飲み放題」ではない点に気をつけましょう。
Q3. ダイエット中にカクテルはやめた方がいい?
カクテルは甘いリキュールやジュースが入ることが多く、糖質やカロリーが高めです。特に「甘くて美味しい」「ジュース感覚で飲める」と感じるものほど注意が必要。ただし完全に禁止する必要はなく、“飲むなら1杯だけ”などルールを決めて、あとは炭酸水や蒸留酒のソーダ割りなど糖質控えめのドリンクに切り替える方法があります。
Q4. ノンアルコールビールならOK?
ノンアルコールビールの中にも糖質やカロリーが含まれるものはあります。ただ、本物のビールに比べれば圧倒的に糖質・カロリーともに控えめなものが多いです。「ビールの味や香りが好き」という方にとっては、ダイエット中の代替手段として使えるでしょう。成分表示を確認しながら、できるだけ糖質やカロリーの低い商品を選ぶことをおすすめします。
Q5. お酒を飲むときはやっぱり炭水化物は控えた方がいい?
大皿のピザやパスタ、白いご飯など炭水化物系メニューは高カロリーになりやすいため、食べる量を控えるのはダイエット上有効な手段です。ただし、全く炭水化物を摂らないとアルコールによる低血糖を起こす可能性もあるので、適度に野菜やタンパク質を絡めながら少量摂るのが無難です。「主食を抑えて、その分おつまみを充実させる」など自分なりのバランスを探ってみましょう。
6. まとめ

ダイエット中にお酒を飲むことについては、さまざまな意見がありますが、最終的には「飲み方を工夫できるかどうか」がカギと言えるでしょう。ポイントを整理すると以下のとおりです。
- お酒自体にもカロリーはあるし、アルコールの代謝が優先されることで、他の栄養素が脂肪に回りやすくなる。ただし飲み方次第ではダイエットを続けながら楽しむことも可能。
- ダイエット中におすすめのお酒は、蒸留酒(焼酎、ウイスキーなど)や糖質オフビール、辛口の日本酒、赤ワインなど。甘いカクテルやビール、日本酒でも甘口タイプは糖質が多く太りやすい傾向があるため量を考える。
- 空腹での飲酒は避ける、飲む量の上限を決める、水や炭酸水でアルコールを薄めながら飲むなど、アルコール摂取量を抑える工夫をする。
- おつまみはタンパク質豊富かつ低脂質なものや野菜・きのこ類・海藻類をメインにする。揚げ物やスナック菓子、炭水化物メインの食事は量を絞る。
- 飲みすぎてしまった日は、翌日のリカバリーをしっかり行う。水分補給、具だくさんスープやウォーキングなどで調整する。
- ストレスなくダイエットを続けるためにも、我慢しすぎない飲み方のルールを自分でつくり、守ることが大切。適切な計画性をもってお酒を楽しもう。
「ダイエット中にお酒は厳禁!」と極端に考えすぎると、逆にストレスが溜まり、ダイエットそのものが続かなくなってしまう恐れがあります。適度なお酒は食事や会話を楽しむ潤滑油にもなりますし、気分転換に一役買ってくれることも多いですよね。
重要なのは「適度・適量」を意識すること。自分のライフスタイルや体調、目標体重、運動習慣などに合わせて、無理なく続けられる範囲でお酒を取り入れるのがベストです。もしお酒を飲む頻度が週に数回あるなら、その分食事内容や運動量で調整しながら「帳尻を合わせる」イメージを持ちましょう。一週間、あるいは一ヶ月単位で総合的に見ることが、リバウンドを防いで長期的に体重をコントロールするコツです。
ダイエットはどうしても制限や我慢を強いられるイメージがつきまとうため、精神的ストレスが大きいと長続きしません。特にお酒が好きな方にとっては、いきなり「断酒」や「絶対禁止」というのはつらいもの。最初から完璧を目指すと挫折の元にもなりかねません。だからこそ“ダイエット中だからこそ、賢くお酒を楽しむ”視点を持ち、長い目で取り組むことが大切です。
今の時代はダイエットや健康志向の高まりから、各メーカーも糖質オフやカロリー控えめのお酒を多数開発していますし、ノンアルコールビールやノンアルコールカクテルの質も向上しています。外食チェーンや居酒屋でも、低カロリーや糖質オフを意識したメニューを展開するお店も増えています。「ダイエット中だけどお酒は楽しみたい」「でも罪悪感なく飲みたい」という方は、ぜひこうした最新情報もチェックしてみてください。
最後にもう一度強調しますが、ダイエットにおける最大の敵は「ストレス」です。極端な食事制限や運動のしすぎ、お酒の完全NGなど、どこかで我慢の糸がプツンと切れてしまうと、リバウンドしたり、暴飲暴食に走ってしまったりすることも珍しくありません。適量のお酒はリフレッシュにもなり、心を豊かにしてくれる存在であることも確かです。ぜひ今日ご紹介したポイントを意識して、これからのダイエット生活の中で少しずつ実践してみてください。
「今日はどんなお酒を飲もうかな?」「おつまみはどんな工夫ができるかな?」と考えることで、よりダイエット中の生活が充実したり、新たな発見があったりするはずです。量やタイミングを調整しながら、無理なく楽しく“お酒×ダイエット”を両立させていきましょう。皆さんのダイエットが無理なく成功に導かれるよう、心から応援しています!